中国景気「暗夜の一灯」の虚実

世界で唯一の「春節消費ブーム」。裏で「家電下郷」「汽車下郷」の旗振り。どこまで続くか。

2009年3月号 GLOBAL

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日系コンサルティング企業に勤める趙君は、1月26日の春節(旧正月)の前にドイツ製高級車を購入した。人よりも経済に敏感な彼が、世界金融危機が中国にも及びそうなのにあえて高級外車を買ったのは、見栄だけではない。北京郊外の自動車販売店に足を運んだら、そのフィーバーぶりに染まって、日ごろ欲しかった車をつい買ってしまったという。「一灯を掲げて暗夜を行く」――恐慌の黒雲に覆われて世界中が真っ暗なのに、ぽつんと春節の中国に明かりが灯った光景だ。株式市場も久しぶりの活況を呈している。1月の値上がり率は10%を超え、証券会社の若手マネジャーは、個人投資家に市況を頻繁に報告するようになった。昨年末の1800ポイント台からいち早く2100ポイントに回復、「2500ポイントも年内に手が届く」と喧伝するアナリストも出てきた。世界的な株価低迷をよそに、中国だけ気を吐いている。

農村部で家電普及ドライブ

2008 ………

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