「良い仕事」を継承できるか

2009年3月号 連載 [CHALLENGER]

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「いろいろしんどいこともあるし、お勧めできる仕事ではないが、ぜひ、社長をやってください……」1月16日の朝8時半、専務の飯島彰己(まさみ)は社長の槍田松瑩(うつだしようえい)からこんこんと説得されていた。飯島は「断れるムードではなく、最後は頷く形でお受けした。絶対にあり得ないことだと思っていた」と述懐する。飯島は1950年生まれ(横浜国大経営学部卒、58歳)。74年三井物産に入り、鉄鋼・製鋼原料の営業畑を歩いた。06年執行役員、昨年4月常務、同10月専務へ昇進したとはいえ、登竜門である経営企画と米国勤務の経験はなく、4月に経営会議メンバーになったばかり。まさか白羽の矢が立つとは思わなかった。槍田は「人望と馬力」を抜擢の理由に挙げ、「どの規模の組織を率いても、これほど部下から信望を集める人はいない」「万一、ノーと言われたら続投するしかないという思いで口説いた ………

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