2009年2月号 連載 [industryの極意 第10回]
前号からわずか1カ月で、金融危機は雇用を巻き込んだ社会不安に進んだ。全てのモノが売れなくなる時勢に自動車産業が特にクローズアップされるのは、その裾野が広いことにある。ビッグ3も公的資金の注入で短期的には息をついたものの、経営内容から、本格的な危機はむしろこれからと見られている。大型車偏重の製品ラインアップは急には変更できないし、新エネルギー車両も開発に時間がかかる。そこまでもつのであろうか。日本を代表するトヨタも、今だから浮き彫りになったことではあるが、ここ数年戦略的な過ちを犯していたようである。それは米国メーカーの牙城である大型車のジャンルに入っていったことである。米国車の大半を占める大型ピックアップやSUVは、米国オンリーの特殊商品でほとんど他の市場には向かない。しかし米国市場を本格的に攻めてGMに追いつき追い越すためには、ぜひ必要な商品 ………
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