「農民工」1千万人失業 帰省片道切符のマグマ

「世界の工場」中国沿海部の限界があらわになった。外需依存の転換が遅れた犠牲だが、帰っても農業はできない。

2009年2月号 BUSINESS

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1月26日に、例年より早めの春節(旧正月)がやってくる。日本の年末年始と同じように、中国でも帰省ラッシュのため鉄道は大混雑になり、春節前後の2、3日を除いて、そのあとも勤務先や就学先に帰っていく逆流が起きる。中国の鉄道部門にとっては春節後の2週間も例年なら大変な時期だが、今年は違う。帰省はよいよい、戻りはあてなし……。鉄道部門の交通天気予報を聞くと、春節前の渋滞は農民工(農村からの出稼ぎ労働者)や、期末試験を終えた学生、一般の帰省客と区別して予測を出しているのだが、春節後となると、農民工の都市部逆流を詳細に予測していないのだ。米欧を襲った金融危機に中国などの新興国はほとんど影響なしというデカップリング(景気分離)論などどこへやら、意外にも世界同時大不況の津波は、2億3千万人の中国農民工に最初の痛撃を与えた。実は危機が到来する前から、米国に輸出する ………

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