「トリックスター」喜美 一足先に救命ボート

2009年2月号 連載 [政々堂々 第2回 ]

渡辺喜美元行革相を「突破力の人」と呼んだのは、首相当時の安倍晋三である。渡辺は自分を初めて閣僚として行革相に起用した安倍の期待に応えて、霞が関を相手に公務員制度改革に果敢に取り組み、官民人材交流センター創設などの成果を挙げた。そんな渡辺の活躍を、安倍は当時、私に「スター誕生だね」と語って喜んでいた。その渡辺がいまや、反麻生の急先鋒として突出している。安倍が麻生太郎政権を支えるキーパーソンの一人なのだから、歴史の展開は実にめまぐるしく、皮肉でもある。渡辺は昨年末、民主党が衆院に提出した衆院解散要求決議案に賛成した時点で除名処分を覚悟していた。地元後援会幹部にも、その決意を示し、90万円をかけて「自民党」の名を削った独自のポスターまで用意した。ところが、予想に反して自民党は戒告処分にとどめたため、年末の離党は見送りになった。年が明けて、渡辺は ………

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