2009年2月号 POLITICS [ポリティクス・インサイド]
整備新幹線で、またしても選挙目当ての「我田引鉄」が目立ち始めた。与党が未着工区間の一部について、強引に来年度の新規着工を決めたのだ。与党が着工を決めたのは、北海道新幹線の長万部―札幌、北陸新幹線の金沢―福井と敦賀駅、そして九州新幹線・長崎ルートの長崎駅。現在建設中の区間の完成を待たず、さらに着工区間を拡げようというわけだ。北海道では新函館―長万部より先に長万部―札幌を着工し、九州では終着点の長崎駅から先に手を付ける。全線開通に向けて既成事実を作ってしまう意図が見え見えだが、それ以上に問題なのは建設費のメドが立っていないことだ。これまで建設費は、完成後にJRが支払う線路や設備の借り賃(貸付料)などで賄っており、将来の貸付料収入は17年度まで先食いされている。3新幹線の全線開通にはさらに2兆円超、部分着工だけでも1兆2千億円が必要とみられるが、これにつ ………
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