負債過多にデフレでは米経済は破局。巨額の財政出動も、限界消費性向の急落で「バケツに穴」となるか。
2009年2月号 COVER STORY [オバマの難題Ⅰ]
7750億ドル。寒風吹きすさぶ米国でこの数字が独り歩きしている。1月20日が就任式のバラク・オバマ新大統領が唱える、向こう2年間の景気対策の規模だ。円換算で70兆円規模の対策の器に何を盛るか――に皆の関心は集中する。それもそのはず、米国景気はデフレの渦にのみ込まれる寸前で、政府の対策にすがるほかないからだ。就任式直前の1月9日、発表された昨年12月の雇用統計は惨状を呈していた。2008年1年間で258万人の雇用が失われた事態はただ事ではない。その同じ日に、シティグループの経営執行委員会委員長、ロバート・ルービンの職も失われた。上級顧問の座を退き、株主総会後は取締役も辞めると発表した。いうまでもなく、ルービンはクリントン政権時代に財務長官を務め、「ドル高」を前面に打ち出し、世界の資本を集め高成長を演出した。今回の大統領選では、予備選ではクリントン陣営、本選ではオ ………
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