パシフィックHDと冨山和彦の怪

正体不明の中国マネーを引っ張って、急場をしのいだが、産業再生機構OBの綱渡りに危惧の声。

2009年1月号 DEEP

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不動産市場の崩壊で瀬戸際に追い詰められていた不動産ファンド運営の大手企業が、08年11月の決算期末を間一髪乗り切った。だが、そのなりふり構わぬ延命策に市場は驚き、懐疑のまなざしで見つめている。この会社は東証1部上場のパシフィックホールディングス。期末ぎりぎりの11月26日、中国からのファイナンスによって、09年2月までに普通社債や優先株の発行で約470億円を調達する予定だと発表した。パシフィックHDは青息吐息だった。08年11月期の連結決算では、売上高でこそ1910億円と増収を果たしたが、最終損益は250億円の赤字に転落する見通し(期初予想は123億円の黒字)だ。7月以降の2度の下方修正が影響の大きさと深さを物語る。バランスシートに残る3千億円近い販売用不動産や仕掛け不動産の価値は大幅に毀損されている。7月には大和証券グループ本社との資本提携を発表したが、金融危機のあお ………

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