2009年1月号 POLITICS [ポリティクス・インサイド]
世界貿易機関(WTO)の新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)で示された農業分野の大枠合意への議長案が、日本にとって大変厳しい内容になった。関税の削減幅を縮小できる「重要品目」の数は、原則として全品目の4%だけ。低関税の輸入枠を拡大する代償措置をとれば6%まで増やせるが、それでも日本が主張する「最低でも8%」にはほど遠い。仮にコメを重要品目にしたとしても、現在の1キロ当たり341円の輸入関税を180~260円に引き下げ、低関税輸入枠も77万トンから100万トン以上に増やす必要がある。それもこれも、日本政府の軽率さのせいである。ドーハ・ラウンドは08年夏に合意寸前で決裂したのだが、外務省は11月の金融サミットやアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議でドーハ・ラウンドの「年内妥結」を働きかけ、APEC首脳宣言に期限を盛り込んでしまったのだ。「首脳会議でめぼしい成果がな ………
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