「賢者は歴史に学ぶ」オバマ人事

2009年1月号 連載 [手嶋龍一式INTELLIGENCE 第33回]

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「ファーストレディーは、レーガン政権に奉職するにふさわしい人物か否か、占星術で見立てていた。だが、そんなナンシーを嗤(わら)う者は、ワシントンの街では素人だな」インタビューを終えてほっとしたのか、ロバート・マクファーレンはこう漏らしたことがあった。ロナルド・レーガン大統領に安全保障担当補佐官として仕えたひとの言葉だけに軽く聞き流すわけにはいくまい。ナンシーが星占いで人選していたのが事実であっただけではない。人事とは星の輝きに頼らざるを得ないほどに苛烈であることを窺わせて興味深い。最後の責任は自分が負う――大統領の孤独な決断を垣間見たひとの実感が伝わってくる。バラク・オバマ次期大統領が、外交・安全保障の閣僚を指名した会見を見ていて「ナンシーの星占い」を思い出した。国務長官にヒラリー・クリントン上院議員。国家安全保障担当補佐官にジム・ジョーン ………

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