杜撰な手術で命を落とした患者遺族の慟哭。頼りにならぬ警察と裁判の壁に「この世に正義はあるのか!」
2008年12月号 LIFE [「医療過誤」患者遺族の慟哭]
産婦人科医師の逮捕で医療界に激震が走った福島県立大野病院事件に無罪判決が下った。逮捕された医師は「不当逮捕で無罪は当然」と捜査機関を批判し、日本産婦人科学会なども「通常の医療行為で刑事責任を問われては医療が成り立たない」と警察・検察の介入を牽制した。事件を契機に「医療行為に警察が介入すべきではない」「医療訴訟の増加や警察の介入が医療を崩壊させている」との主張が、医療界から声高に語られるようになった。確かにこの事件では医師に逃亡や証拠隠滅の恐れがないにもかかわらず、事件発生から1年も経って医師を逮捕し1カ月も拘留するなど捜査に行き過ぎがあったのは事実だが、だからといって、こうした医療界の主張が世の中に受け入れられるとは思えない。大野病院事件で警察が介入した背景には社会に渦巻く医療不信がある。医療ミスの隠蔽、カルテの改竄、患者を使った実験的医 ………
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