2008年12月号 POLITICS [ポリティクス・インサイド]
公務員制度改革の焦点で、国家公務員の幹部人事などを一元的に行う「内閣人事局」の発足が宙に浮きそうだ。政府は次期通常国会に内閣人事局を設置するための法案を提出する方針だが、その組織や権限の具体化が進まない。紛糾の連続だ。公務員制度改革を話し合う政府の顧問会議で、座長の御手洗冨士夫日本経団連会長とワーキンググループ主査の桜井正光経済同友会代表幹事が衝突。「速やかに発足すべき」「拙速すぎる」などとやりあった。政界にも飛び火し、自民党の中馬弘毅行政改革推進本部長が麻生首相に「来年発足させるべし」と迫るや、渡辺喜美・元行革担当相が「議論不足。設置を急ぐな」と猛烈な巻き返しに出た。結局、甘利明行革担当相が顧問会議の結論を聞いたうえで「政治決断する」ことになったが、迷走が続きそうだ。財界関係者は「元凶は経済産業省出身の不満分子」と批判する。一人は渡辺 ………
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