朝日新聞――初の「赤字転落」の非常事態

つるべ落としの業績悪化になすすべなし。生き残りを賭けた秋山社長ら経営陣の手腕が問われている。

2008年12月号 BUSINESS [企業スキャン]

  • はてなブックマークに追加

朝日新聞社は2009年3月期、創業130周年にして初の営業赤字転落という憂き目にあう。広告収入が激減し、販売部数も下げ止まらない。「良識の朝日」として、言論・報道界に君臨してきた新聞社で今、何が起こっているのか。07年度の売上高(単独、以下同)は3769億円、前年度比2.7%減で、さほど深刻そうに見えないが、実は3800億円割れは1988年度以来19年ぶりの低水準だ。売上高は2000年度をピークに、この7年間で560億円(13%)も落ちた。08年度も減収に歯止めがかからず、07年度からさらに100億円以上、率にして3%以上減る見込みだ。一方、団塊世代の定年退職者が一段落するうえ、28年ぶりの新聞用紙の値上げ(今期約30億円の負担増の見込み)などが響き、本業の儲けを示す営業損益は赤字転落必至だ。営業赤字は1879年の創刊以来初めての非常事態である。元凶は経営の柱である広告収入の激減にある。 ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。