「日本人」追った阿久悠

2008年12月号 連載 [硯の海 当世「言の葉」考 第32回]

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あれは八月暑い夜すねて十九を越えた頃細いナイフを光らせてにくい男を待っていた愛と云うのじゃないけれど私は捨てられつらかった山崎ハコのかすれた高音が胸に突きささる。『ざんげの値打ちもない』。もともと、北原ミレイが歌った歌である。山崎ハコが歌うと、この歌はハコの歌だったっけ、と勘違いしそうになる。魂をえぐる歌とは、だれが歌ってもやはりいい歌なのだ。それにつけても、阿久悠の書く詞は鬼気迫る。阿久悠の死後、世に出た『歌鬼』というアルバム。阿久悠の代表作11曲をオリジナルとは異なる歌手が歌う。『ジョニィへの伝言』(ペドロ&カプリシャス・高橋真梨子)を鈴木雅之、『思秋期』(岩崎宏美)を森山直太郎、『時の過ぎゆくままに』(沢田研二)を工藤静香。『ざんげ……』について阿久悠はこう書き残している。「昭和四十五(一九七〇)年に書いたものであるが、ざんげの値打ち ………

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