三歩先が見えぬ白川日銀

米欧総力戦で、やっと金融恐慌の闇に薄日。だが、ゼロ金利回帰を拒む日銀の「孤高」は、円の独歩高を招く。

2008年11月号 COVER STORY [大恐慌クライシス]

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どん底からの生還――10月13日、世界の株式市場にようやく薄日がさした。東京は休日だったが、アジア、欧州で株価が反転し、ニューヨークでもダウが9000ドル台に戻し、翌14日には日経平均も9000円台に回復した。現前した金融恐慌に世界が総力戦で立ち向かった結果だ。週末の10日にはワシントンで7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)、11日に新興国も交えた緊急20カ国財務相会議(G20)、そして12日にはユーロ圏15カ国の緊急首脳会議とトップが鳩首協議して、恐慌の火消しに「あらゆる利用可能な手段」(G7行動計画)を尽くすと訴えた。

システミックリスクに言及

例年のようなリップサービスではない。間髪を容れず手形を切った。12日、ユーロ圏15カ国首脳は、機能不全に陥ったインターバンク(銀行間)取引の政府保証と、銀行への公的資金注入を柱とした金融安定化策を発表した。13日には日米欧の中央銀行が「流動性がほぼ枯渇 ………

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