食料自給はポピュリズムに流されるな

2008年11月号 連載 [隗より始めよ]

  • はてなブックマークに追加

日本の食料自給率は現在40%程度に過ぎない。どうしたら自給率を上げることができるか。この問題を考えるにあたって重要なのは、政治的ポピュリズムに流されないことであると思う。民主党は昨年、兼業も含むすべての農家に補助金を交付する「農業者戸別所得補償金」を公約に掲げた。小沢一郎氏一流の勘で自民党の弱点を突いたのであろう。自民党も一度は、個人なら4ヘクタール以上、複数の農家で共同の場合は20ヘクタール以上という基準を設けて、農家の規模拡大による底上げを図ったものの、参院選での民主党の攻勢で実質的に修正、逆戻りしてしまった。「自給率向上のため」と居心地のよい言葉で説明しているが、結局両党とも農業を主とせず補助金に頼る兼業農家の票の獲得に走っている。これこそポピュリズムと言えよう。日本の消費者は毎年食品に多額の投資をし、最高の食べものを求め続けている。 ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。