2008年11月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]
今年6月に富士通トップに就任した野副州旦(くにあき)社長に早くも憂鬱な日々が続いている。独シーメンスと共同で設立した欧州の合弁会社について、シーメンスの持ち分を買い取って全額出資子会社化するほか、不振が続くハードディスク駆動装置(HDD)事業を、HDD世界2位の米ウエスタンデジタルに売却することを決め、矢継ぎ早に事業再編に向けて交渉入りしたが、これがOBの反発を買ったのだ。シーメンスとの合弁会社は欧州でサーバーやパソコンなどを製造・販売する拠点として設立したもので、海外展開、とりわけ欧州での事業の加速をもくろむ富士通にとっては欠くことのできない存在。しかし相方のシーメンスはIT(情報技術)事業については縮小の方針を出していた。加えて合弁の契約期間が年内いっぱい。富士通の株式買い取りは当然の流れだった。一方、HDD事業はかねてより赤字が続いており、事業 ………
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