「高橋治則の亡霊」が操る怪しい会社

何ゆえか、役員欄には元三菱商事副社長や元米国務長官らの名。糸を手繰ると、稀代の口先男が浮かぶ。

2008年11月号 DEEP

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政官界を震え上がらせたリストはA4判13枚にまとめられていた。そこには個人名、勤務先、肩書、勤務先の住所、電話番号に加えて、自宅住所、電話番号まで記されている。173人の個人情報が記載されたリストで、ひときわ目を引くのは官僚の多さ。当時の11省庁を網羅する高級官僚47人が名を連ねる。通称「窪田リスト」――元日本IBM社員、窪田邦夫が作成した接待リストである。では、接待のホスト役は? 窪田を側近としていたリゾート開発企業「イ・アイ・イ・インターナショナル」の総帥、故高橋治則である。1980~90年代のバブル期に「環太平洋のリゾート王」ともてはやされ、日本長期信用銀行(現新生銀行)の破綻の元凶となった一人だ。95年、東京協和信組など2信組の経営破綻に絡む背任容疑で東京地検特捜部に逮捕された。元労相、山口敏夫の親族企業などに不正に融資させたとして起訴され、99年に東京 ………

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