2008年10月号 GLOBAL [グローバル・インサイド]
メディアに映る活動が派手に見えても、外交の果実とは限らない。外交経験の少ないフランスのニコラ・サルコジ大統領は8月8日、フランス国内世論の反対を押し切る形で、北京オリンピック開会式に息子を連れて出席した。同席したロシアのプーチン首相に息子を紹介するなどご満悦の様子だったが、8月下旬に中国が警戒するチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマが訪仏。大統領本人は会わず、夫人のカーラ・ブルーニがベルナール・クシュネル外相を伴って会った。ダライ・ラマが大統領との会談を求めなかったことを強調してみせる苦肉の演出である。しかし、ダライ・ラマによれば、今年末にノーベル平和賞受賞者がフランスに集まる計画があるという。人権宣言の発祥地であるフランスの現大統領であり、EUの議長でもあるサルコジが、その場ではダライ・ラマに会わないわけにはいくまい。フランスは昨年末、航 ………
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