公取委から排除命令を受けた”凡ミス”の裏に焦り。国内で伸び悩み、国際線では「官の壁」や欧米のライバルが立ちはだかる。
2008年10月号 BUSINESS [企業スキャン]
俳優の三国連太郎が飛行機の高級そうな新型座席にゆったりと座り、くつろいでいる。その脇には息子の佐藤浩市が、座席にそっと手をかけ、寄り添っている。「この親子のツーショット自体、貴重なものだ」として全日本空輸(ANA)が大々的に売り込んだ国内線の新サービス「プレミアムクラス」が8月25日、公正取引委員会から景品表示法違反(優良誤認)で排除命令を受けた。新聞各紙で4月1日スタートと銘打ったにもかかわらず、目玉の新型シートは6月まで導入されなかったためだ。同社が4月に運航した国内便は一日360便だったが、うち87便は従来の高級座席の間隔を少し広げたり、生地を張り替えたりしていただけで、残る273便は全く変えていなかった。国土交通省も利用者保護の観点から好ましくないとして文書で指導する異例の措置をとった。全日空に先立ち昨年12月から国内線で初めてファーストクラスを導 ………
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