大野病院「無罪」に安堵できぬ医師

逮捕の危険は遠のいたが、民事訴訟リスクは消えない。国が検討中の「医療事故調」で拍車も。

2008年10月号 LIFE

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8月20日午前10時7分、福島地裁前。カメラマンたちが待ち受けるなか、法廷から飛び出してきた記者が声を上げる。「無罪、無罪」。支援者の医師が、裁判所の外に向かって腕で大きくマルを描いた。「完全無罪だ」25枚の傍聴券に788人が並んだ30分前の喧噪がウソのような静かな幕切れだった。判決言い渡しは2時間を超え、詳細な認定をうかがわせた。午後から被告の加藤克彦医師の記者会見と、支援者の医師たちが主催するシンポジウムが別々に開かれたが、加藤医師は表情に苦悩の色をにじませ、支援者が派手に喜びあう姿もなかった。「患者が亡くなった」ことへの礼儀だけではないだろう。医療と法律の難題は依然山積したままだからだ。判決をおさらいしよう。04年12月、福島県立大野病院で行われた帝王切開手術で、患者の妊婦が出血性ショックで死亡した。通常は出産時にはがれる胎盤が子宮壁に組織的に食い ………

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