与野党が捻じ曲げる「証券税制」

麻生氏がぶち上げた小口投資家向け「証券マル優」創設がうまくいかない理由。

2008年10月号 BUSINESS

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「自分が首相になったらやりたいと思っていたが、とても待っていられない」次の首相の座を射程に入れた身としては、株価の低迷を自分の政権まで持ち越したくなかったのだろう。自民党の麻生幹事長は8月9日、札幌市内で講演し、小口投資家を対象に、「証券マル優」の導入をぶち上げた。上場株式への投資額が300万円以下なら、手にした株の配当金には課税しない、という優遇措置だ。この時は麻生氏も、よもや1カ月後に総裁選の渦中にいるとは思わなかっただろう。だが、結果的にはうまいタイミングだった。8月末にまとめられた総合経済対策には、麻生氏の提案を受けて「貯蓄から投資への流れを促進する」方針が盛り込まれた。福田首相が辞任を表明した翌日の東京株式市場では、「麻生銘柄」と呼ばれる漫画関連株と並んで、証券会社株が一斉に上昇した。「麻生首相誕生で、証券マル優は現実味を帯びる」と ………

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