司法試験合格者を年3千人に増やす政府方針は、いくらなんでも乱暴だった。
2008年10月号 DEEP
来年から始まる裁判員制度とともに、司法制度改革の柱とされる法曹(裁判官、検察官、弁護士)の増員計画が頓挫しかかっている。2001年6月、司法制度改革審議会は「法科大学院を含む新たな法曹養成制度の整備の状況等を見定めながら、2010年頃には司法試験合格者数の年間3千人達成をめざすべき」「18年頃までには、実働法曹人口が5万人規模に達することが見込まれる」などと、政府に提言した。01年当時、法曹は約2万人(裁判官約2200人、副検事を除く検察官約1300人、弁護士約1万7千人)。司法試験合格者は1960年代から80年代まで年500人にすぎず、その後少しずつ増え99年に漸く年1千人に達したばかりだった。先の提言は02年3月に閣議決定され、政府の方針となる。その結果、司法試験合格者は毎年急速に増え、04年に開校した法科大学院の修了者も06年9月から加わった。昨年は2千人の大台に乗り、弁護士 ………
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