物静かな日常が際だたせる「虚無」

映画『スカイ・クロラ』

2008年9月号 連載 [IMAGE Review]

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「スカイ・クロラ」とは、空をクロールのように泳ぎ渡る者とでも訳すべきか。敵情を視察し、敵機と遭遇すれば撃破する戦闘機乗りのことである。兎離洲(ウリス)という基地にいる元パイロットの女性指揮官クサナギ・スイトや、転属してきたカンナミ・ユーイチはじめパイロットたちは、「キルドレ」と呼ばれる永遠の子供たち。戦闘以外では死なず、大人にもならないキルドレたちは、大人たちが平和を実感するためにショーとして行われる戦争の請負会社に雇われ、日々空中戦を闘っている。プロペラが機体後部にある彼らの戦闘機「散香マークB」や、敵方の大人のパイロット“ティーチャー”が操る「スカイリィ・J2」などによる空中戦シーンは、CGを駆使してスピード感に満ち、ダイナミックで活き活きとしている。ところが一転地上のシーンに切り替わると、奇妙なほど物静かな日常がゆったりと描かれる。地上 ………

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