山口 光恒氏(東京大学先端科学技術研究センター特任教授)

排出権取引に疑問技術革新を誘導せず

2008年9月号 BUSINESS [インタビュー]

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――IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第3作業部会(温室効果ガスの抑制などを担当)でリードオーサー(主執筆者)を務めた立場から、洞爺湖サミットはどう評価しますか。山口 2日目のG8声明と、3日目のMEM(主要経済国会合)声明を合わせて、はじめて全貌がわかるというのが洞爺湖サミットなんですね。G8声明では、2050年に温室効果ガス半減とのビジョンを「気候変動枠組条約の全締約国と共有する」と盛り込まれたのですが、実際には全締約国が合意することはあり得ないということはみな分かっていました。半減という言葉だけ取って、ホスト国の顔を立てるという政治的配慮がアメリカにあったんです。――半減はリップサービスですか。山口 G8でめざすのでなく、世界全体でめざすと聞くと、日本の新聞では「半減で合意」になる。でも、全世界で半減目標を共有すると書いてあること自体が、実は「や ………

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