2008年9月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]
石油精製・元売り第4位のコスモ石油が中東産油国UAE(アラブ首長国連邦)第一の首長国・アブダビが全額出資する政府系ファンドIPIC(国際石油投資会社)から20%の出資を仰いで1年近くが経つ。昨年9月の計画どおり、IPICの特別目的会社Infinity Alliance Limitedが897億円を払い込んで筆頭株主となり、IPICは非常勤取締役を2名派遣した。当初の構想では、①日本にとってサウジに次いで原油輸入量の多いUAEからの安定的な原油調達を促進し、②巨額の有利子負債を抱えるコスモの財務体質を改善し、③海外に豊富なネットワークを持つIPICとの海外事業展開が可能になる、といいこと尽くめの提携だった。当時の甘利明経済産業相も「IPICの出資は日本のエネルギー安全保障に貢献する」として歓迎した。この出資をもとに、今年7月コスモは堺製油所で、1千億円を投じて重質油分解装置群の建設を開始した。国内の石 ………
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