日産のゴーン社長も皮肉った両社の交渉。中小企業の悲鳴を横目に「果実」を分け合う業界トップ。
2008年9月号 BUSINESS
「市場のリーダーが動かないと値上げは難しい」。日産自動車のカルロス・ゴーン社長が今年6月25日、株主総会後の記者会見で発言したことが波紋を呼んだ。トヨタ自動車が自動車価格の値上げを率先することを「要請」したうえで、それに便乗しようという露骨な協調値上げ宣言ともとれるからだ。受け取りようによってはカルテルとも疑われかねない。なにより大手2社の馴れ合い的な値上げとなっては、ただでさえガソリン高に苦しむ消費者の反発は避けられない。翌日の全国紙も皮肉を込めて「日産ゴーン社長、トヨタに値上げ催促」(朝日新聞)と報じた。だが、ある自動車メーカーの幹部は「あの発言はむしろ、ゴーンさん一流の(トヨタへの)皮肉だったんじゃないか」と解説する。そもそも自動車メーカー各社が値上げを余儀なくされる原因をつくり出した「戦犯」が、ほかならぬトヨタと考える関係者が多いか ………
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