全面否認して“善戦”したが、有罪判決が出て苦悩する。その「迷える羊」の心境に本誌が肉薄した。
2008年9月号 DEEP [福島県知事汚職裁判]
前知事は逡巡していた。控訴すべきか、すべきでないか。8月8日、東京地裁刑事第5部(山口雅高裁判長)は、佐藤栄佐久・前福島県知事を収賄罪で懲役3年(執行猶予5年)、実弟祐二被告を収賄罪の共犯と公共工事の競争入札妨害で懲役2年6カ月(執行猶予5年)、追徴金7372万円余りの支払いを命じる有罪判決を言い渡した。判決公判が終わり、東京地裁103号法廷を後にした栄佐久は、追いすがる記者たちの質問には一切答えず、弁護士たちとともに裏手の弁護士会館へと急いだ。記者やカメラマンらは弁護士会館のエレベーターホールまでなだれ込み、警備員に制止される一幕もあった。午後、司法記者クラブで記者会見が行われた。5期18年、福島県に君臨した知事が、単純収賄罪の容疑で塀の中に落ちて有罪判決を受けたというのに、栄佐久は憤りの色を見せない。ほとんど無表情で述べた。「真実は必ず足跡を残す。そ ………
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