いまに通じる『敗戦真相記』

2008年9月号 連載 [硯の海 当世「言の葉」考 第29回]

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8月。油蝉の声を聞く季節に、必ず思うことがある。あの戦争は何のための戦争だったのか。何を目的に、どの国を相手に、どう戦おうとした戦争だったのか。敗戦が避けられない状況で、決断ができずに広島の原子爆弾投下を許してしまった。そればかりか、それが原子爆弾であるという事実を受け止めることができずに3日後に長崎の原爆投下になる。「あの戦争」と呼ぶしかない。「太平洋戦争」は米国の呼び方だが、それでは日中戦争やアジアでの戦い、ソ連参戦など、説明がつかないことが多過ぎる。「大東亜戦争」はあとからこじつけた「大東亜共栄圏」と意図的に結びつけるようでいやだ。「第2次世界大戦」では日本が当事国ではないように響く。戦争の目的が明確でない。どの国と戦おうとしたのか明確でないから、戦争の名称が決まらないのだ。*読売新聞は「検証戦争責任」というすぐれたシリーズの中で、 ………

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