米外交のもう一つの綻び「コソボ独立」

事実上のNATO統治領となるだけに、150カ国以上が非承認。米欧同盟に深い傷跡が残った。

2008年8月号 GLOBAL

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米国の外交政策の“破綻”は北朝鮮だけではない。「民族のモザイク」バルカン半島でも、米国肝いりの独立コソボの承認が国際社会で伸び悩み、ワシントンは屈辱をなめている。NATO(北大西洋条約機構)の後ろ盾で容易に解決できるかに見えたが、実はゲームを始める前から米国の負けは決まっていたようなものなのだ。コソボはスラヴ系キリスト教徒のセルビア人が父祖の地としているが、オスマン帝国に占領されたため、イスラム教徒のアルバニア系住民が混在する地域となった。戦後は旧ユーゴスラビア連邦最大の共和国セルビアの自治州となったが、1990年代後半にコソボ紛争が勃発。民族主義を鼓舞して民族浄化を進めたセルビアのミロシェビッチ政権がアルバニア系住民を抑圧、NATO軍が99年に空爆による軍事介入に踏み切った。紛争終結後、国連安全保障理事会が採択した1244号決議で、コソボは国際法上ではセ ………

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