にわか「消費者庁」の虚しきゴール

「民意」を頼んで政権浮揚を目論む福田首相と霞が関官僚の妥協の産物でしかない。

2008年8月号 LIFE

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食品表示から建築物の耐震強度にまで至る偽装や後を絶たない悪徳商法の横行など、消費生活をめぐる不信と不安の広がりを背景に、来春にも霞が関に「消費者庁」が発足する見通しとなった。行政と組織の減量化が進むなかで1971(昭和46)年の環境庁(現環境省)以来ともいわれる行政横断型の新官庁が、なぜ短期間で滞りなく実現へと動いたのか。低迷が続く支持率の上昇を託す首相の狙いとともに、市場競争を通じて構造改革を進めた小泉・安倍路線への反動から、「生活者重視」に政権浮揚の足がかりを求める保守政治の思惑が交錯する。消費者庁の骨格を定めた「消費者行政推進基本計画」の閣議決定に先立ち、5月21日に自民党本部で第19回党消費者問題調査会が開かれた。会長の野田聖子や事務局長の後藤田正純ら消費者行政一元化を担いできたメンバーが、消費者問題で被害を受けた当事者の遺族らを呼んで経 ………

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