経済原則を無視した新銀行東京

2008年8月号 連載 [隗より始めよ]

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最近、なんとなく釈然としない金融関連問題として、新銀行東京の巨額損失問題、消費者金融の上限金利規制問題、サブプライムローン問題の三つがあるが、問題の本質は大きく異なっている。前の二つは経済の大原則をまったく無視した社会主義的な発想が背景にあるが、三つ目は純粋に自由経済特有の問題である。新銀行東京の設立動機は、中小零細企業に対して「悪辣な大銀行」が貸し渋っているため、都は「正義の味方」となってこれを救わなければならないということであろうが、経済と金融に対する生半可な知識がベースにある。融資は返済してくれるはずの相手に行われるものであり、返済の見込みがない企業にはどんなに高金利であろうとも融資すべきではないことは誰が考えても当たり前であるが、そのような借り手に素人集団が杜撰な審査で融資した当然の結果が巨額の貸し倒れ損失である。計画の立案者の ………

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