神戸「次世代スパコン」の大マヌケ

1100億円の巨費を投じて「世界最速」をめざすが、完成前にライバルに惨敗しそうだ。

2008年8月号 BUSINESS

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今年3月下旬、読売新聞の大阪版に「次世代スパコン 幅広く活用する体制を」と題するコラムが掲載された。「人の体をつくる細胞や臓器の動きが詳しくわかり、新しい薬を迅速に作ることができる。ジェットエンジンの開発コストが半減する。こんな夢を乗せて、1秒間に1京回(京は1兆の1万倍)という世界一の計算能力をめざす」と持ち上げている。話題の主役は独立行政法人の理化学研究所が中心となり、総事業費約1100億円をかけて開発中の「次世代スーパーコンピュータ」。ハードウエアを収容する建屋の工事もすでに神戸市の人工島、ポートアイランドで始まっている。

国産に拘り「ガラパゴス化」

次世代スパコンは通称「ペタコン」という。計算能力は10ペタFLOPS(1ペタFLOPSは1秒間に1千兆回の浮動小数点演算をする速度)の高速計算能力を備える。世界最高速のスパコンとして一世を風靡した「地球シミュレータ」の250倍も速い。20 ………

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