2008年8月号 連載 [industryの極意 第4回]
現在の形式の自動車は1890年代後半に出現したが、米国と欧州では異なった発展形態をたどった。自動車が大量生産型の耐久消費財として大衆のものになったのは1930年代以降とされている。有名な米国のT型フォードは、流れ作業の大量生産方式を採用した画期的な車であった。これに伴い大量販売方式の理論化が必要となった。日本の自動車の販売理論は1960年代の米国の教科書に基づいていると考えられている。その典型は台数をさばくために、同じ自動車会社にいくつかのブランドを事業部としてつくり、各ブランドにイメージを与えるというもの。GMでいえばキャディラック、ビュイック、シボレーなどをそれぞれ別の販売店系列で取り扱う。販売現場では、GMの敵はGMという刺激を身内に与えて競合させる。車格が異なるので、セグメント別に緻密な販売戦略が可能となる。フォードもクライスラーも同様の政策を採 ………
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