「被告台」のムーディーズ

紙クズ同然となった証券化商品に、なぜトリプルAを乱発したのか。「落ちた偶像」格付けの大罪とは。

2008年7月号 BUSINESS [信用揺らぐ格付会社]

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サブプライムローン(低所得者向け住宅ローン)の惨禍が、米国ばかりか日欧の大手金融機関まで呑み込むなかで、ムーディーズやS&P(スタンダード・アンド・プアーズ)など、米国の代表的な格付会社が信用を失墜、被告台に立たされている。サブプライム債権を担保とする債務担保証券(CDO)などの証券化商品にAAAなどの高い格付けを与えていたが、住宅価格下落で大幅な格下げを余儀なくされ、実損や評価損が相次いでいるからだ。5月21日には英経済紙フィナンシャル・タイムズが、ムーディーズの高格付けの一部がプログラムミスによるものと気づいていながら見直しを怠っていたと報道、ムーディーズの株価は1日で16%も急落した。コネティカット州のブルメンソール司法長官も、不法行為がなかったかどうか捜査中と述べて衝撃が走った。契約時の頭金がなく、借り手の所得証明すらないものまで含まれる「返 ………

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