コスモの「荒業」が引き金 石油元売りが一斉に海外へ

課題は国内。需給を無視した相場つり上げにガソリンスタンドからは戸惑いの声。

2008年7月号 BUSINESS

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石油精製・元売り会社が、急速に海外に事業の軸足を移し、国内事業に見切りをつけ始めている。少資源国・日本に中東から原油をせっせと運び、ガソリン、ナフサ、灯油、軽油、重油など石油製品の安定供給に力を注いできた「使命感」は薄れるばかりだ。昨春、石油精製・元売り業界で「あいつらアホか事件」と呼ばれる舌禍騒動が起きた。事の発端は2007年4月に発売された経済誌「週刊ダイヤモンド」の特集記事だ。

新日石がコスモに「アホか」

記事は、業界トップの新日本石油の管理職から一般社員までが判で押したように業界中堅のコスモ石油を「アホ」呼ばわりしてこき下ろした、と伝えた。コスモが堺製油所(大阪府堺市)への1千億円規模の巨額設備投資計画を発表したことに対する反応だという。騒ぎが大きくなったのは、雑誌の発売日が新日石とコスモが燃料電池事業での提携を発表する日と重なったからだ。さすがにコスモも黙っ ………

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