どん底から「琴欧洲改造」物語

初優勝に親子は抱き合って涙した。親孝行がしたくてブルガリアから来た大男の純情。

2008年7月号 LIFE

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大相撲夏場所14日目(5月24日)、大関琴欧洲が苦手の安馬を下して初優勝を決め、感動でじんわり目をうるませていた。その向こうに父・ステファンさん(52)の姿があった。18時間も飛行機を乗り継いで来日した。寡黙でシャイなところがブルガリア人気質というが、ステファンさんは升席で立ち上がり、祝福の歓呼に応えて両手を突き上げている。その目立つこと。身長は2メートル近い、体重も135キロと琴欧洲に負けていない。支度部屋で「頭が真っ白になった。ホッとしたよ」と父は子に声をかけ、熱い抱擁を交わした。巨体の親子の涙して抱き合う姿は感動的だった。

兄弟子のような親方の一言

本名カロヤン・ステファノフ・マハリャノフの名は12世紀末の第2次ブルガリア帝国の「カロヤン皇帝」に由来する。4800グラムの巨大ベビー誕生に父は「天下をとる」と確信したらしい。ステファンさんは言う。「何事も自由なハートが大事だ」 ………

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