朝日新聞「社主株」ドンデン返し

気まぐれな87歳の女社主。相続人の甥は嫌われ、秋山社長の水面下工作に「獅子身中の虫」が出現した。

2008年6月号 DEEP

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不思議なオペラ演出だった。原作の『フィガロの結婚』にはない黒衣(くろご)の天使が物陰から現れ、フィガロやスザンナ、伯爵や伯爵夫人に影のようにつきまとい、パントマイムで邪魔したり唆したり……欲望の化身を視覚化している。4月に大阪、名古屋、東京で上演されたザルツブルク音楽祭の引っ越し公演(朝日新聞文化財団、朝日新聞主催)である。4月24日の上演は上野の東京文化会館ホール。客席のほぼ中央に、朝日新聞の秋山耿太郎(こうたろう)社長がいた。上演は同紙創刊130年記念事業の一環だから、ゆかりの人々が大勢招待されている。秋山社長はせわしなく周囲に挨拶を送っていた。クラウス・グートが着想した「黒衣の天使」は、小悪魔のように気まぐれで人を翻弄する。いかにもモーツァルト的だが、秋山社長の目にはどう映ったろうか。実は彼にも、むら気ゆえに悩ましい存在がいる。87歳の朝日 ………

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