2008年6月号 連載 [硯の海 当世「言の葉」考 第26回]
お笑いが好きで、いろいろ見ている。このごろ、テレビを席巻しているお笑いは、よくてコント、普通は一発芸程度でしかないものが多く、わざわざ劇場まで出向いて金を払ってまで見たいとは思わない。たくさんの漫才を見てきたが、私の場合、好きになるのはうそ臭さを感じない漫才、というか、どこかに漫才師の生き様のようなものが見え隠れするものである。やす・きよの横山やすし、ツービートのビートたけし、ダウンタウンの松本人志、爆笑問題の太田光。相方と合わないのではと思わせるほど個性が強烈で、存在そのものが自己主張している。なかでももはやこの目で見ることが不可能になった横山やすしはすごかった。月並みな表現しか浮かんでこないほど「すごかった」のだ。入学年でいえばやすしは私より1年上ということになるが、同じ昭和19年の申年生まれである。だからどうだということもないが、会 ………
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