総会屋を切った勇者
2008年6月号 連載 [ひとつの人生]
「公家集団」と揶揄された企業風土を「戦う集団」に変えた。アミノ酸の分野では世界で他の追随を許さない技術力を持つ優良企業であるにもかかわらず、その地位に安住してきた元凶は、顧問や相談役に退きながら経営に影響を与え続けた「長老支配」だった。黙っていても収益は上がる。ならば長老連中に意見し、睨まれるのは得策ではない――。いつしか社内にはこうした風通しの悪さが蔓延していた。1997年3月、世間を大きく騒がせる事件が勃発。総会屋に利益を供与した商法違反容疑で社内から逮捕者を出した。総務部長とともに逮捕された総務部課長は警察OBで、総会屋対策を一手に任されていた。総会屋事件を受け、専務だった江頭氏は再発防止策を作る委員会の委員長に就任。「知っているのに知らんぷり」といった風通しの悪さが原因だと改めて感じた。稲森俊介社長が事件の責任を取って辞任する際、一緒に ………
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