絵に描いたモチか「医療事故」究明機関

厚労省が第3次案。地方では無理な司法解剖が決め手? 深まるばかりの医師側と患者側の対立。

2008年6月号 LIFE

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医療事故を調査する第三者委員会の議論で、医師側と患者・家族側の対立と不信が先鋭化している。厚生労働省の「診療行為に関連した死亡に係る死因究明等の在り方に関する検討会」の雰囲気は、普通の審議会と違っていた。毎回傍聴席を埋め尽くすのは「医療事故被害者」たち。落ち着きのない一人の青年がメモを走り書きし、席を立って前方に座っている老夫婦に届けた。「終了後、NHKが“被害者の思い”について取材したいそうです」この検討会は病院関係者、法律家、行政などからなり、医療事故を調査する第三者委員会の設置を検討してきた。4月3日に厚労省は「第3次試案」を発表し、今国会での法案提出を目指している。だが、産科や小児科、外科などリスクの高い医師たちは、医が万能でない以上、避け難い死亡例まで刑事責任を問われたのでは、医療自体が成り立たないと猛反発する。4月12日、日比谷公会堂 ………

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