2008年6月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]
田辺三菱製薬は、08年3月期決算で血液製剤のフィブリノゲン、クリスマシンによるC型肝炎患者救済のために新たに91億円を計上、07年3月期分と合わせて112億円を給付金にあてる。旧ミドリ十字の事業を引き継いだ田辺三菱にとって最大の負の遺産が、C型肝炎ウイルスに汚染された血液製剤を原因とする患者救済のための経済的負担。国が制定した救済法に基づき、被害患者1人当たり1200万円から4千万円の給付金を支払うが、患者団体等との最終合意が得られないため、国と企業の負担割合が未決のまま。救済対象数がわからない不安もある。田辺三菱の悩みは、経済的負担だけでなく、企業イメージに深刻な打撃を受けたこと。血液製剤事業を引き継いだ時点で、ある程度覚悟していた事態とはいえ、地団太踏む思いだったろう。とはいえ、最近ではマスコミの論調にも変化の兆しが見える。C型肝炎ウイルスの感染はその ………
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