岡 素之氏(住友商事会長)

利と害に目配り、いま足元固め

2008年6月号 連載 [経営者のひきだし 第26回]

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続々と公表される企業の09年3月期決算の見通しに、サブプライムローン問題の影が広がってきた。多くの場合、楽観視し過ぎていたフシがある。まだ、悲観論に染まる必要はないとしても、中国の高成長、円高急進の回避、世界の株価の底堅さなど、プラス面のみに目を向けていては、グローバル企業でも危うい。「智者之慮必雑利害」(智者の慮は必ず利害に雑(まじ)う)――判断を誤らない人は、物事を必ず利と害の両面から測る、との意味。中国の古典『孫子』にある言葉だ。これは、兵法だけでなく、ビジネスにも当てはまる。よさそうな条件に隠れた悪い条件を見いだし、気を引き締めて、進むべきかどうかを判断する。そんなアプローチで、いち早くサブプライム・ショックの前から組織の「引き締め」に転じていた経営者が、この人だ。岡素之さん。住友商事の会長で、かつてリスクとリターンの兼ね合い、つま ………

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