どん底「タクシー残酷物語」

33道府県で年収が300万円未満。東京だけで自殺者が年間50人を超える生き地獄。

2008年6月号 BUSINESS

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「市場の失敗を真正面から認め、(規制を)元に戻してほしい。かつての繊維産業のように、タクシー産業構造改善臨時措置法が必要だ」3月末、国土交通省が開いた交通政策審議会の公開ヒアリングで、梅原克彦仙台市長は、国のタクシー政策に不満をぶちまけた。仙台市は市営地下鉄を持ち、梅原市長は日本地下鉄協会の会長を務める。だが、その発言に地下鉄の利用者増などというケチな思惑はない。それは、仙台駅に降り立てば誰でもわかる。駅前広場を埋め尽くすタクシーの数は尋常ではない。仙台には64社、2900台のタクシーがひしめく。2002年に国がタクシーの台数規制をやめてから、需要を示す総実車キロは5%近く減ったのに、会社は25社、台数は1千台近く増えた。夜の繁華街では客待ちの車が二重、三重に道をふさぎ、市民からの110番通報で毎晩のように警察がタクシーの排除に出動する。01年には3万6千円 ………

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