大久保利通<上>

消防火夫の頭と自身番の頭と

2008年5月号 連載 [第二の男]

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西郷隆盛、木戸孝允、大久保利通を維新の三傑という。いずれも欠かせない人物だが、存在感は西郷が抜きん出る。次いで大久保。木戸の印象は桂小五郎時代の方が強い。禁門の変、第一次征長、王政復古、鳥羽・伏見の戦い、江戸開城。華々しい西郷の活躍だが、そこには大久保との役割分担があった。西郷は維新が実現した後、精彩を欠く。果ては征韓論に敗れ下野、西南戦争の暴挙で死んだ。他方、大久保は一貫して明治近代国家を模索する権力の中心にあり続け、その基礎を築きながら、石川県士族、島田一良や長連豪らに暗殺された。大久保には冷徹な官僚政治家のイメージがあって、西郷に比べ人気がない。徳富蘇峰の二人の対比が面白い。「西郷先生の流儀は、天下有事の日に出でて、其(その)力を竭(つく)すに存した。されど甲東(大久保)先生は、有事の日にも、少事の日にも、無事の日にも、恒に然りで ………

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