凍河越境千里行<下>

監獄、そして自由社会へ

2008年5月号 GLOBAL [「脱北者」地下潜伏レポ]

  • はてなブックマークに追加

脱北者(北朝鮮からの脱出住民)は、命がけで北朝鮮を逃れても、中国では不法越境者として扱われ、見つかれば強制送還される。その後は、監獄や強制労働施設「労働鍛錬隊」などに収容され、尋問や拷問、そして強制労働が待ち受けている。中国で逮捕された脱北者の金桂花(キムケーフア)(24歳、女)は、まず中朝国境の「穏城(オンソン)保衛部」(北朝鮮咸鏡北道[ハムギヨンプクド]穏城郡)という監獄に送られた。

過酷な収監生活

2004年12月23日、新たに収監されたのは桂花を含む女性8人だった。まず、身体検査を受けさせられた。女性検査官が8人を横一列に並ばせ、「服を脱ぎなさい」と命じた。ためらいながら全員が下着姿になると、検査官は「全部脱ぐのだ!」と怒鳴り上げた。素っ裸にさせられた後、検査官の指示で、女性たちは両手を後ろ手に組まされた。次の瞬間、検査官の号令が始まった。「座れ」「立て ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。