牛尾 治朗氏(ウシオ電機会長)

「戦戦兢兢」として市場主義の旗

2008年5月号 連載 [経営者のひきだし 第25回]

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日本の政治・経済・社会の構造改革が、逆流し始めた。随所で「官」の支配が、息を吹き返しつつある。「官」の仕切りに身を委ねれば、楽で、居心地がいいように思う人も少なくない。だが、それは、錯覚だ。「戦戦兢兢、如臨深淵、如履薄氷」(戦戦兢兢[せんせんきようきよう]として、深淵を臨むが如く、薄氷を履[ふ]むが如し)――中国最古の詩集『詩経』にあり、「事にあたっては、慎みと畏れを持ち、深い淵を前にしたときの冷静な洞察力と薄氷を踏むときの周到な注意深さが大切だ」との意味だ。つまり、他人の言動に唯々諾々と従ってはいけない、それでは深みに嵌り、望む所には届かない、との戒めである。「官」に身を委ねるとは、唯々諾々に他ならない。改革派が掲げる「官から民へ」の旗印は、民間の自立を促し、「消費者主権」の社会に変えよう、という呼びかけだ。市場の主役は、消費者でなけれ ………

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