人工授粉も種も中国頼み お寒い限りの日本の農業

2008年5月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]

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ギョーザ中毒事件で中国産の農産物の輸入が激減し、日本の農家が息を吹き返したかと思いきや、予想外の影響が出ている。梨の人工授粉に使う中国産花粉の輸入が止まり、一時は4月の開花時に人工授粉ができないと心配されたのだ。梨は同一品種では受精しないものが多く、他の品種の花粉を人工授粉させる。花粉集めの手間とコストを省くため、梨栽培の約1割で中国産花粉が使われている。ところが花粉は冷凍した状態で輸入されるため、ギョーザ事件を受けて冷凍食品の輸出体制を見直ししている中国の検疫当局が輸出を止め、輸入できない状態が続いていた。農林水産省には全国の産地から問い合わせや花粉の融通を求める声が相次いだ。3月末から順次輸出が再開され、秋に梨の価格が高騰する事態は何とか避けられそうだが、同様の品不足は、もやしの種に使う中国産緑豆でも起きていて、今後、全国的にもやしが ………

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