「陰翳」のコントラストと官能

演劇『春琴』

2008年4月号 連載 [IMAGE Review]

英国の演出家サイモン・マクバーニーが、谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」の世界を「春琴抄」を通し現代的に再現したのが『春琴』の舞台だ。映像、効果音、照明、詩的な言葉、流れる身体の動き、三味線などの生演奏……。演劇を構成するさまざまな要素が、無意識空間とも言える暗闇に溶け込み、舞台が官能的生き物のように見えてくるのが不思議な感覚だ。今年51歳のサイモンは、視覚性、身体言語を生かした舞台作りで、セリフ中心の英国演劇界でも特異な存在。マイムなど身体表現に重点を置くパリのルコック演劇学校で学び、そこで出会った仲間と劇団を結成した。13年前に初来日した時に「陰翳礼讃」の美を知り、谷崎をやりたいと思ったという。「春琴抄」は大阪・道修町の老舗薬種問屋に生まれた美貌の娘、春琴が盲目の三味線師匠になり、春琴を想う従者の佐助が自ら両目を針で突いて失明、春琴と同じ世界に入る ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

ID(メールアドレス)
パスワード  (半角英数字)
 次回から自動的にログイン

IDを忘れた方はこちら
パスワードを忘れた方はこちら
年間定期購読のお申し込みはこちら