2008年3月号 POLITICS [ポリティクス・インサイド]
昨夏の参院選で自民党が惨敗し、満身創痍で辞任した安倍晋三前首相が動き始めた。「何より憂えているのは、政権が掲げた保守の理念そのものが色あせてしまうことだ」――。1月に発売された月刊誌に寄せた手記で悲憤慷慨。同時に「一議員の立場から、本格的な保守政治を根付かせるため捨て石となる」と決意表明した。安倍氏は1月下旬に地元の山口県下関市などを訪れ、「心身を鍛錬し、政策を磨いて再び戦う政治家として新たな思いで全力を尽くす」と語気を強めた。テレビや新聞にも登場し、「美しい国づくりは始まったばかりだ」などと、再登板への意欲をにじませた。その言葉のはしばしに福田康夫首相への対抗心が滲む。記者団に向かって「福田さんは経済が大変だ。安倍内閣時代、株価は1万8000円だったのが、いつの間にか1万3000円だからね」と、皮肉たっぷりに語っている。安倍氏は福田政権の「失政」を ………
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